誠実で謙虚
Modesty is the shining light that prepares the mind to receive knowledge and the heart for truth.
謙虚さは叡智を受け取る準備を整え、心のもっとも深いところにある真実を照らす光。
―Madam Guizot
いつの時代も小さくて可愛らしいスミレの花はずっと愛されてきました。古くから伝わる植物の言い伝えによれば、スミレは繊細な花びらの下にハート型の葉を隠しているため『慎ましやかな花』と呼ばれていました。古代ギリシャ神話では、スミレはアルテミスの慎み深さと仲間への忠誠心として、宗教画では謙虚さと純粋さの象徴として描かれています。大天使ガブリエルが聖母マリアに受胎を告げたときもスミレの花が咲いたと伝えられています。
人気を誇ったルネサンス期とヴィクトリア時代には、スミレは奥ゆかしい魅力と控えめな慎み深さを思い起こさせていたようです。
インスピレーション・メッセージ:
謙遜してあなたの光を隠す必要はありませんが、常に注目を浴びる必要もないのです。ときに小さなささやき声の中に素晴らしい叡智が隠されています。
Interpretation
産業革命の初期、フランスのルルドには、ひとりの少女の前に聖母が現れたという逸話があります。当時14歳だったベルナデッタはとても貧しく、自分の弱さを知っていました。「聖母がわたしをお選びになったのは、私がもっとも貧しく、もっとも無知な者だったからです」と言葉を残しています。
ベルナデッタはメディアにでることもなく、修道院で慎ましやかな暮らしを続け、35歳でこの世を去りますが、54年後に聖人の位を授けられています。
スミレの花のカードにはこの逸話が背景にあるように感じます。
内なる声(インナーボイス)は、こころの一番深いところから、ささやくように聞こえてきます。その声を聞くには、謙虚な心を持つことで知性の光が差し、こころの一番深いところにある扉を開くのでしょう。