決意と創造的達成
You can't use up creativity. The more you use, the more you have.
創造力はなくならない。クリエイティブになればなるほど、もっとクリエイティブになれるのよ。
―Maya Angelou
アマリリスには、乙女の恋にまつわる言い伝えがあります。花しか愛せない美しい羊飼いの青年の愛を得るために、思いつめた乙女は自分の胸を刺し、羊飼いの家の小道に血のしずくを落とします。30日が過ぎ、そのしずくは魅惑的な緋色の花に生まれ変わりました。羊飼いの青年はその花にすっかり魅了され、乙女の心は癒されたのです。
アマリリスは羊飼いたちの詩とも古くから結びつきがあります。ヴィクトリア時代の人々にとって、冬に花咲くアマリリスは芸術家たちの創造力にインスピレーションを与える決意の象徴でした。
インスピレーション・メッセージ:
アマリリスのカードが現れたときは、あなたの前にミューズ(芸術の女神)からのインスピレーションと祝福が贈られています。あなたの創造的な使命と願いへの努力が認められ、賞賛を受けるでしょう。
Interpretation
羊飼いたちの詩(Pastoral Poetry)とは古い詩のジャンルです。羊飼いたちは、どこにも属さず牧歌的な自然の中で旅をして暮らしていました。羊たちと共に水や草を求め、自然の中に真理を見い出し、その日その日を大切に生きていることを感じながら、愛や暮らしの詩を歌っていたそうです。
そのため、花しか愛せなくなってしまった……というのは、物語の中のメタファーだと思いますが、乙女が自ら胸を突いてしまったのもメタファーだと思われます。
一見すると悲恋にも見える恋物語ですが、超自然的なものの中に愛を見出した男性と、神秘的な花に生まれ変わった女性の人知を越えた愛の成就の物語なのかもしれません。
女性性の開花は、寒い冬を乗り越え、命がけの決意と創造的な行動が伴ってはじめて開花する、という逸話なのだと思います。